vs多すぎる服(1)

そもそもの問題は私の服に対する興味のなさだと思うが、

とにかく私は昔から大量の服を持っていた。

しかもその中で2〜3着をローテーションして着ていた。

 

そもそもは母がやたらと服を買う人で、

しかも自分の趣味に合ったものだけを買う人なので

なんだか気に入らない服ばかり増えていった。

かといって買いに行っても似たような服ともっと着たくない服しかない。

じゃあどんな服が着たいかというと、それも特に思いつかなかった。 

 

母の「いかなる時も地面に付かない」というこだわりから

西友で買ってきて踝の半分出る丈に裾上げされたズボンと、

西友で買ってきた冬は暖かそうな、夏は涼しそうなトップスを着ていた。

ときに西友だけでなく、地元の店やらサミットなんかでも服は調達された。

 

ズボンの丈は友人からよくダサいと言われたが、

言われたところでそれしかないし、

服の新規購入にあたり「ダサい」なんていうミーハーな理由が通用しないことはわかっていた。

っていうかまたズボンを買ってもどうせダサい丈に詰められるのだ。

 

 

そしてそのまま中学生になった。

すると今度は制服があるので、家にいる時も制服のブラウスのままで

スカートだけハーフパンツに穿きかえる程度になった。

塾に行くための長ズボンと、

今度は西友の大人服コーナーで母が買って来たシャツやセーターを着ていた。

友人と遊ぶときも同じ。

 

 

さらに高校に入り、遠距離通学というのもあって

塾は制服、家では中学のジャージに制服のブラウス(すぐ夕食→風呂なので)、

たまに友人と会う時は母が西友で買って若すぎて失敗した服などを着ていた。

 

 

この状況に対して特に問題意識を持たなかったのは、

とりあえず目の前に服が大量にあったからだろう。

近所に買い物へ行ったり、バイト行ったり、歯医者に行ったりする服は潤沢にあったのだ。

 

また安くない服に興味のある人間が家にいなかった。

妹はどこへ行くにも一年中半袖のTシャツ、母はジーンズ、

この服装で行けないところには行かないというある意味断捨離の離を実行していた。

父は会社以外どこへ行くにも白いソックスと夏は半ズボン、冬はジーンズ。

トップスをウエストインした探検隊スタイルである。

私もバイト代が入れば塾の月謝を払い、

来るべき大学生活に向けてパソコン代を少し貯め、

残り数万は本とCDばかり買っていた。

 

誰もルミネに行こうとか丸井へ行こうとか思いつかなかったのだ。

ルミネや丸井へたどり着く手前に西友やサミットがあるしね。

当時はユニクロもどこかにあるであろうフリース屋程度の認識だった。

少なくとも近所にはなく、広告すら入らなかった。

 

 

都内に住みながら、ギャルじゃないおしゃれな服がどこに存在しているのか知らないし

そもそも知る気もなかったのだ。

せめてこう「おしゃれすなわち派手とは限らない」だとか、

「地味とおかしいとダサいは別」とか、

それくらいは学ぶべきだったのだ。これくらいの時に。